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こんこん録

きつねが覚えたての日本語で書いてます。睦奥宗光の『蹇々録』をもじりましたが、特に外交論などを書く予定はありません。

観梅

新居の契約をおおかた済ませた。あとは引っ越すだけという具合である。
今月は5回熱を出し、5日に1度のペースで喘息の発作を起こした。それでもまだこれは軽い方らしく、夜中に咳き込む程度で済んでいる。私の親族にも喘息患者がいるが、彼は若い頃、盆正月のたびにひどい発作を起こし、何度か大学病院に入院したそうだ。自分の苦しさを相対化するのもつまらないことだが、こと病気の苦しさに関しては「自分はそう重症ではない」と考えることにはそれなりの意味があるのだろう。大したものではないと思えれば希望も湧く。

先週は福島県いわき市を旅行した。計画性の無さが災いして慌ただしい旅になってしまい、観光らしい観光はしなかったが、今年初の(そしておそらく今年最後の)観梅に行けたのはとても良い思い出である。いわきの人は皆親切で、どこでも食事は安く美味しかった。いわき駅の付近はなかなかに賑やかで、ここに住みたいとすら思った。震災の影響により、店や宿や観光名所の幾つかは閉鎖されていたのが心残りである。震災前に訪れられれば良かったのだが。

観梅をしたのは「梅林寺」という湯本駅近くのお寺で、濃い色の梅から白梅までが連なって咲いており、たいそう美しかった。
梅は古いことばで「花の兄」と呼ばれる。寒さの残る折、他の花々に先立って咲くからだそうだ。私は梅のつぼみが開きはじめる季節に生まれたので、梅には何かと思い入れがある。
桜には個はないが、梅にはあるように思う。ひとつひとつの木に人格があり、独自の香りがある。その代わり、川辺に群れて咲く姿は桜の方が映える。個性の弱い花の方が、協調するのは得意なのだろう。

ともあれ、福島は美しいところだった。東京より西に引っ越してしまうと東北方面には行きづらくなるので、転居するまでにあと1, 2回は東北を訪れたいと考えている。