こんこん録

きつねが覚えたての日本語で書いてます。睦奥宗光の『蹇々録』をもじりましたが、特に外交論などを書く予定はありません。

ハイルブロンのケートヒェン

二月に入ってから寝込んでばかりいる。喘息の発作が出たりノロにやられたり、風邪をひいたり酷く疲れていたり。今月は何かとイレギュラーな出費が多かったため、月末になるとお金がなくなり、そのせいでまともに外出もできなくなった。
病気になると何もできない。読書もメールの返信もできない。気づけば一日の大半をベッドの上で過ごしている。
体調が少し良くなった日はDVDで映画を観ていた。ロメールの『ハイルブロンのケートヒェン』。彼が唯一手がけた舞台作品である。去年同じくロメールの『聖杯伝説』を観たのだが、こちらも映画というより史劇に近い作品だった。愚かで純粋でひたむきな娘ケートヒェンが一人の伯爵を救済に導く話。なんだかファウストのグレートヒェンみたいだ。あるいはウンディーネ…。ドイツ人のロマン主義者はこういった娘を少女の理想像だと思っていたのだろうか。彼女たちは、無知で無垢であるがゆえに他人の魂を救うことができる。ケートヒェンもグレートヒェンも、利発で思慮深い女性などではない。

それにしても映画監督としてのロメールと舞台演出家としてのロメールはまるで別人のようだと思う。